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経  緯

 

    日本には、多くの動物園や水族館があります。ひとつひとつの動物園や水族館でできない研究や生物の保護、技術の向上などを目的として日本動物園水族館協会という組織があります。その役割のひとつに、希少な生物を絶やさないよう保全していくため、「種の保存」という事業に取り組んでいます。その中のひとつにオオサンショウウオ繁殖検討委員会があります。文字通りオオサンショウウオを守り、保全していくための一番の目標として、繁殖方法を確立することを目的とした委員会です。

 

   2003年にオオサンショウウオ繁殖検討委員会が開催されました。各飼育園館での飼育繁殖状況や調査等の活動報告があり、さらに主催地の調査フィールドをメンバーと視察する催しが行われました。日頃各々の場でオオサンショウウオの調査等を行うメンバーですら普段と異なったフィールドを観察することは非常に有意義であると感じたのです。そのような中で、もっとひんぱんに活動報告や情報交換、他所のフィールド観察などを行うことはできないものかという意見が出されました。

 

  また、ここ数年各地で河川環境保護の機運が高まる中、シンボリックな河川生物であるオオサンショウウオの世間での関心が大きく高まってきています。そこで繁殖検討委員会のメンバーだけではなく、各地で活躍している研究者、保護活動家や団体、河川行政や河川工事に携わる方々など、これからのオオサンショウウオとの接し方を真面目に考える人たちが気軽に情報交換できる場をもちたいと文化庁記念物課をはじめ、広島市安佐動物公園の桑原一司氏や姫路市立水族館元館長栃本氏他の呼びかけで広島市安佐動物公園初代園長小原氏を会長として発足しました。

 

   2004年に発足した本会は、松井正文・京都大学名誉教授(前日本爬虫両棲類学会長)をはじめとする幾人もの学者の支援のもとに、オオサンショウウオが生息するすべての府県にわたる19の団体会員、156の個人会員をもつ組織へと成長しています。

目 的

 

 各地でオオサンショウウオの研究調査、保護活動やその他関連事業に携わる人同士の情報交換を主な目的としました。論文や短報ほどには至らない程度の知見や情報、意見などでも気軽に発言報告することで、オオサンショウウオに関するさらなる知見を広め、ひいてはオオサンショウウオの効率的な生態解明・有意義な保護・世間へのさらなる啓発に役立つことを目的にしています。

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