第11回日本オオサンショウウオの会東広島大会プレイベント

「体験! 発見!! オオサンショウウオがすむ河川 」観察講演会を実施

 

東広島大会実行委員会

 

 全国のオオサンショウウオの会の皆さん、こんにちは。東広島オオサンショウウオの会では、日本オオサンショウウオの会東広島大会を、2014年9月27日~28日に広島県東広島市豊栄町で開催する予定で準備を進めています(開催案内は7月の予定)。そのシュミレーションイベントとして、東広島市の親子50名を募集して、3月16日(日)に『体験! 発見!! オオサンショウウオがすむ河川』と題して親子観察会をもちました。場所は11回大会の観察予定地の椋梨川上流の向谷地区で、2011年以来当会が調査を継続しているところです。

 

 13時に大会のメイン会場となる豊栄町清武西地域センターに集合して、徒歩10分の所にある椋梨川第5調査区の川で、オオサンショウウオが住む川の生きもの探しをしました。子どもたちは大喜び。それぞれ、網とバケツを持って川に入り、早春の水の冷たさにも負けず魚やヤゴを捕まえては歓声をあげました。(写真1、2、3)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

写真1広大の清水先生に見つけ方を教わる    写真2川の中で生きものを探す     写真3生きものを探す子どもたち

 

 

 1時間の採集時間があっという間に終わりました。川から上がったら,生きものたちを分類しながら,名札の付いたバケツに入れます。桑原先生に,魚・ヤゴ・イモリなどを教わりながら,仕分け作業を行いました(写真4)。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

写真4 子どもたちによる生きものの仕分け作業

 

 

すくわれて来た生きものたちを分類した後,オオサンショウウオがすむ川の生きものたちについて詳しい解説がありました(写真5)。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

写真5 生きもの解説

 

 

 今回、向谷地区の椋梨川(川幅1~3m、標高400m)で観察できた生きものは次のとおりです。(写真6~10)

 魚ではカワムツ・タカハヤ・ドンコ・カワヨシノボリ、ドジョウの5種。普段見られるアカザは、今日は見つかりませんでした。カワムツとタカハヤが入り混じる所が、オオサンショウウオの生息と繁殖の中心地との説明でした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

   写真6 カワムツ             写真7 ドンコ

 

 

 トンボのヤゴは、オニヤンマ、コオニヤンマ,コヤマトンボ、コシボソヤンマ,ヤマサナエ、オオカワトンボの6種が見つかりました。その他の水生昆虫はヤマトクロスジヘビトンボ,カガンボ、カゲロウ、カワゲラの幼虫やミズカマキリ、オオコオイムシ、ヨコエビです。広島県のオオサンショウウオが生息する川では、オニヤンマ、コオニヤンマ,コヤマトンボのヤゴが3点セットで見つかるそうです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

写真8 コオニヤンマ(右),コシボソヤンマ(中),コヤマトンボ(左)        写真9 オニヤンマのヤゴ

 

 

 ホタルのエサとなるカワニナもとても豊富です。両生類では,水中で越冬中のアカハライモリ,ツチガエルが沢山いました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

写真10 アカハライモリ

 

 

 これらの生きものたちは、オオサンショウウオとは、食べたり、食べられたりの関係をもちながら、長い時間、共存してきた仲間の生きものです。今日の観察会では、たくさんの生きものを見ることができました。しかし、地元の方は、「こんなもんじゃない。昔はもっとたくさんの魚やオオサンショウウオがいた。」と言われます。そう、ここは呉市から福山市に広がる賀茂台地の中で、唯一オオサンショウウオの群れが確認できる最後に残された生息地なのです。ここでも川岸がコンクリートになり、堰堤によって川が分断されて、オオサンショウウオたちには住みにくくなっていますが、まだ、オオサンショウウオがすむ条件が残っています。参加の皆さんには、とりあえず、オオサンショウウオが生息している川の豊かな動物相を観察してもらいました。

 

 

 川の生きもの観察会の後は、500mほど上流部の山手にあるオオサンショウウオの繁殖地に向かいました。ここは渓畔林をともなう自然の川岸で、昨年も2つの巣穴で産卵を確認し、今年の1月末から2月にかけて幼生の離散が見られました。現地に着いた途端,目のいい方から『オオサンショウウオが歩いているよ』の言葉。これにはさすがにビックリ。みなさん初めて見る本物のオオサンショウウオに大興奮。このオオサンショウウオは,昨年9月から産卵巣穴で卵や幼生を守ってきたヌシ「シミズクン」でした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

写真11 オオサンショウウオ発見の報に集まる参加者たち

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

写真12 産卵巣穴の前を歩いていたヌシ「シミズクン」(全長81cm)

 

 

 そのうち,2頭目がすくわれて来ました。これもでかいです。まるでシーボルトの『FAUNA  JAPONICA』に載っている絵を見ているようです(写真13)。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

写真13 2頭目もでかい(全長78cm)「ヤマサキクン」

 

 そのうち,3頭目もすくわれて来ました。また、落ち葉たまりからは産卵巣穴から2月に巣立ちした6㎝ほどの幼生が7匹見つかりました(写真14)。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

写真14 幼生

 

 

 みなさん,「オオサンショウウオ、すごい。びっくりした。」「幼生も見られてよかった。かわいいね。」と大感動の一日でした。桑原先生曰く「春先には、おなかがすくのか、昼間でもよく出歩く。」 広島大学総合博物館のHさんは,「いつも,いつも掬って,すみません。今日も大変お世話になりました。」とヌシさんに一礼しながら放流されました。

 プレ大会が成功裡に終わり,スタッフ一同一安心。お客様の道案内や観察会の誘導、報道対応のシュミレーションもできたし、着々と大会の準備を進めています。皆様のご参加をお待ちしています。